金管理法について考える

金管理法について考える
おいらは、当ブログで一貫して金現物保有の有用性を記事にしてきました。
金現物保有の基本的な考え方は、あくまで資産保全ということで、一攫千金を狙うということではありません。金投資を、資産保全ではなく資産運用として考えているなら、金現物は手数料が高くなりますので、金ETF先物が良いと思います。
そもそも、金の現物保有をしようと思っている方は、少なからずペーパーマネーの信用に不安を感じていることと思います。世界各国での財政赤字と、節操のない紙幣の増刷を考えると当然のことでしょう。
さて、ここで金地金の保有が本当に資産保全として有効なのでしょうか?やはり、想定される不安要素については、事前に考察をしておかなければなりません。
通常、金地金の保有リスクは金価格の変動(為替を含めた)ということになりますが、ここでは金価格の変動は、問題として取り上げる必要はないと思っています。何故かというと、金現物保有というのは、資産保全という意味合いが強いので、たとえグラム1000円を切っても良いわけです。資産保全として全財産を金地金に交換する人はいないでしょうし、ポートフォリオの10〜30%程度でしょう。…とすれば、金価格が1000円を切るということは、その他のペーパーマネーなどの価値はあるのでしょうから、財産を全部吹き飛ばすということにはなりません。
要は、金価格が下がって右往左往するような投資は、資産保全とは言いません。
金価格が下落して困る人は、金投資を資産保全ではなく資産運用と考えている人といえます。おいらも金先物の投資をしていますし、地金も保有しています。おいらの場合、金価格が下落してヤバいと思うのは、先物のポジションということになります。しかし、現在保有している現物に関しては、仮に先物よりも含み損が拡大しても「どこ吹く風」なのです。あくまで地金は保険なので、安心を保有していると考えています。
このような考えで、金地金を保有している人は多いと思いますが、ここで問題があります。当然、金の価格変動ではありません。
何かというと、金管理法です。
金管理法というと難しそうなので、ここでは資産保全として(価格変動は無視)の金地金保有リスクとして大雑把に考えます。
もう一度確認しますが、金地金の保有目的は資産保全です。資産が脅かされるということはどういうことかというと、はっきり言って「デノミ」と「ハイパーインフレ」でペーパーマネーもしくはデジタルマネーが棄損するということです。(おいらは日本がデノミを行う可能性は極めて低いと思っていますが、ハイパーインフレの可能性はあるかもしれないと思っています。日本は財政に関してはデノミなどできないので、長期間に及ぶ増税で対処すると考えています。)
金価格が高騰する時というのは、通貨の信用が大きく棄損する時ということになるのですが、その時は政府が財政で追い詰められているということも容易に想像できます。政府が追い詰められたら何をするかというと、金を搾取することも考えられるわけです。
例えば、財政破綻を起こした政府が、まずデノミを行ったと仮定して、同時に金の売買に税金をかけたり、保有する金地金を政府が没収するということもあり得るわけです。金地金を政府に差し出さなかったら、逮捕ということも考えられます。金地金の保有も万全では無いということです。
…ですが、だからといって無駄とは言えません。少なくとも経済混乱時に金の売却ができない状況に陥っても、経済混乱後まで保有しておけば立派な資産保全になります。(金地金が無ければ、デノミやインフレで資産はゼロになりかねません。)
ここから先は、例えばの話としますが、
「政府に没収される前に金地金を無くしてしまったものが、経済混乱後に偶然発見された。」とか、「金のおりんなどの宗教的な物品として保有していたものを、経済混乱後に売却した。」という偶然もあるかもしれません。(現状では、金地金より更に手数料は高くなりますが、金のおりんなどの宗教関連の物には、税金がかかりません。)
最後にまとめますと、デノミや金地金の没収までは起こらなくても、増税とインフレは起こる可能性が大きいと考えられます。そう考えると、金地金の売買に多少の規制がかかることは想定したほうが良いと思われます。しかし、金地金の没収が回避できるなら、資産保全としてはインフレによる資産の目減りを回避できるため、金地金の保有は有用と考えられます。ただし、金売買に関する法的規制が解除されるまで保有するということが前提となります。すなわち、経済混乱のピークに売却して一攫千金を狙うのはできないかもしれませんが、インフレで現状のペーパーマネーの価値が減価するのを回避することはできそうです。
ちなみに「金管理法」の概略は2011/10/24の記事に追加しておきました。
今日の相場
USD/JPY 87.69
EUR/JPY 109.77
金(国内小売)  3635円/g
白金(国内小売) 4572円/g
現在の相場の流れが、2番底につながるとは到底思えませんので、やはりここからは巻き戻しがあると思っています。先ほど金とプラチナの先物のポジションをナンピンしました。AUD/JPYのロングとどちらにしようか迷ったのですが、ほぼ同じような動きをすると思いますので、今回は貴金属のロングとしました。
ここからは大局の話ですが、大きく円安から円高に推移している動き(山)も5年を経過しています。このような山は5年周期なので、ここからは多少円安に推移してもおかしくない状況となっています。ただし何度も言いますが、米ドルは必ず下落していく運命にあると思っています。
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