米国経済は改善しているのか?

米国経済は改善しているのか?
米国1月の失業率は8.3%と徐々に改善しているようです。これを受けてNYダウも上昇しており、米国経済は回復傾向にあるように見えます。しかし、おかしなことに一向に米ドルが上昇せず、各国の通貨に対して安値圏で推移しているということには、非常に違和感があります。
まず株価ですが、こちらはやはり米国の大統領選挙の影響があるでしょう。米国民の生活は株価によって大きく左右されます。日本国民の資産は預金がほとんどですが、米国民の資産は株の割合が高くなっているため、ある程度の株価上昇パフォーマンスがあってもおかしくはありません。
次に為替ですが、本来NYダウが上昇するなら米ドルは資金調達で買われて、米ドル高になるのでしょうが、どちらかというと米ドルは各国通貨に対して安値圏にあります。米国は米ドル安に誘導し、国内企業の輸出競争力を高めようと考えているでしょうから、こちらも何かしらの見えない力を感じてしまいます。
とりあえず、現在の相場は何とも違和感の大きい相場といえます。
民間は不良債権を政府に移行し、量的緩和の効果もあり、ようやく息を吹き返してきたといえるようですが、その反面、米国政府の財政赤字は取り返しのつかないレベルになっています。大局では、やはり米国債のある程度の暴落を見るまでは大底を打ったとはいえないでしょう。
目先の相場は、米国大統領選挙の効果(もしくはパフォーマンス)のため、株価上昇でかつ米ドル安という歪な状況が続くと思われます。例えばUSD/JPYなどは、
・米国の巨額の財政赤字によるリスク回避の円高米ドル安
・米国大統領選挙前のパフォーマンスによる円高米ドル安
・目先の米株高によるリスク選好の円安米ドル高
・下落する度に行う日本政府の為替介入による円安米ドル高
という4つの要因が重要と思われます。
その中でもやはり、円高米ドル安の上2つの要因が強いのではないかと思っています。株価の上昇とは裏腹に、米ドルは安値圏で推移すると予想しています。
最後になりますが、この現状で一番恩恵を受けるのは米国ということになります。NYダウ上昇により資産内容が改善し、米ドル安により貿易収支が改善し、定期的に日本政府が為替介入で米国債を買い支えてくれるというわけです。一方日本は、日経平均の伸び悩み、円高による輸出競争力の低下、為替介入で紙屑を掴まされるという3重苦に陥っていると言っても過言ではありません。
しかしある意味、この状況(極端な円高や株安、世界的な貨幣価値の暴落)は千載一遇のチャンスでもあります。是非この流れにうまく乗りたいものです。
今日の相場
USD/JPY 76.99
EUR/JPY 102.09
金(国内小売)  4568円/g
白金(国内小売) 4376円/g
為替は目先の株高につられて多少円安に推移すると思われますが、NYダウの好調さとは裏腹にやはり上値は重いでしょう。また、USD/JPYが下落する場合は、為替介入が要注意となります。おいらは75.00付近まで円高が進めば為替介入が入ると予想しています。
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