イタリアの長期金利上昇

イタリアの長期金利上昇
イタリアの10年国債の利回りが7%を超えました。ギリシャソブリンリスクが他のPIIGSに飛び火するのは分かっていた事ですが、ギリシャと違い債務の額も巨額なため、救済も一筋縄ではいかないでしょう。
これだけ騒がれているギリシャの負債が35兆円規模なのに対して、イタリアの負債は200兆円(1兆9000億ユーロ)規模となっています。負債額はGDP比120%であり、過去10年の経済成長率も0.3%と低いため、もはや救済は不可能かもしれません。
イタリアはIMFの監視下に置かれたため、目先では資金も供給されるでしょうが、来年の2〜4月に控えた1500億ユーロを超える国債の償還期限を乗り越えられるかというと、非常に厳しいと言わざるを得ません。
イタリアのベルルスコーニ首相は新予算関連法案が成立すれば辞任するようですが、その後の新政権がどこまで構造改革を進められるかが焦点となりそうです。おそらく構造改革にはギリシャ同様、緊縮政策が織り込まれるため国民に痛みが伴うでしょうから、まさにギリシャの後を追う様な気がします。暴動やストライキがイタリアに飛び火してもおかしくはありません。
イタリアの国債の多くはイタリア国内で消化しているため、そんなに状況は悪くないという見方もある様ですが、おいらはそうは思いません。イタリアはユーロに加盟しているため、それなりの財政基準を満たさなければならないからです。国債を発行し、自国の銀行などに引き受けさせれば、いくらでも資金を調達できますが、統一通貨を使用している以上、1国がそのような事をすれば不公平になります。
したがって、国内で消化していようが、国外で消化していようが、統一通貨を使用している以上、イタリア政府は借金を返す必要があり、今の状況をダラダラと引き延ばすことができないという事です。
ちなみに、日本も国債を国内で消化していますが、イタリア同様日本政府も借金を返す必要があります。しかし、日本は統一通貨を使用しているわけではないので、今の状況をダラダラと引き延ばすことができるという事です。
最後になりますが、ユーロ圏のソブリンリスクに関しては、今後ポルトガル、スペイン、アイルランドが手ぐすねを引いて待っています。…ユーロ危機はまだまだ続くでしょう。
今日の相場
USD/JPY 77.66
EUR/JPY 105.47
金(国内小売)  4683円/g
白金(国内小売) 4363円/g
USD/JPYのショートポジションはホールドしています。もう少し様子を見ようと思っています。
金はイタリアの件がありますので、徐々に上値が重くなると思われます。
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