米国と共倒れする日本

米国と共倒れする日本
先日、日本政府が為替介入を行いました。そして翌日、米国債の格付けが引き下げられました。これにより、来週の相場も大きく動くと思われます。とりあえず、現状を踏まえて、為替介入を中心に今後について多少まとめておきます。
日本政府は為替介入を行いましたが、8/7の討論において、財務省副大臣の五十嵐氏は、投機的な動きがあれば追加の為替介入も辞さないとしています。さらに、それで円安に推移するかというと難しいとも語っています。効果も期待できないのに巨額の資金を為替介入に使ってよいのでしょうか?もちろん効果など無いということくらい誰しも分かっているはずです。
何故おいらが、ここまで為替介入に反対しているかというと、その金額が半端ではないからです。
例えば、以前問題になったグリーンピアの無駄遣いの顛末ですが、グリーンピア施設の建設費は約2000億円とされています。それに対して売却額は50億円程度ですから、1950億円の赤字となります。これに加えて人件費を加えた積年の運営費の赤字をいれると、さらに無駄遣いの額は多くなるでしょう。(これはこれで絶対あってはいけないのですが…)
しかし、マイナスは所詮2000億程度なのです。それでも問題になったはずなのに、為替介入で45000億円(4.5兆円)投入しても誰も文句を言わない(グリーンピアの20倍以上の無駄遣いをサックリ行っているのに誰も何も言わない!)日本国民って何だろう?…と不思議に思うわけです。とりあえず、その理由は、
・そのうち米国債を売れば問題ない。
・日本企業を救っているから良い。
ということでしょうか?
まず、米国債は現状売ることはできません。何故かというと、日本や中国が米国債を売れば間違いなく米国債はデフォルトします。では、保有している米国債が満期に償還されるのかというと、その可能性も非常に懐疑的と言わざるを得ません。国債発行額の上限を引き上げて借金をしようとしている国に返済能力などありませんし、米国は自国通貨安にして、債務を圧縮しようとしているのは誰が見ても明らかでしょう。いつかは破綻しますし、その兆候も格付けの引き下げということにも表れています。
では、為替介入で日本企業を救っているのか?ということですが、それもありません。今回の為替介入で、円高の大局が変わると思っている人がいたら、それこそおめでたい人と言わなければいけません。
どうせ円高傾向に戻るのですが、そうすると今回為替介入した4.5兆円は何処に消えたのか?…ということになります。それこそ米国の赤字補てんの一旦を担いでいると言えるわけです。今回米国は債務の上限を引き上げましたが、引き上げたとしても誰が米国債を購入するのか?…ということになります。
世界各国は米国債から離れ、金や資源、また財政事情がより健全な国家の通貨に資金を移しています。世界的な米国債離れの中で、日本が為替介入を行い米国債を支えていると言えるわけです。日本の企業を救うために行っているのではありません。だったら4.5兆円を輸出企業に配った方がまだましです。
また、財務省副大臣の五十嵐氏は、日銀と共同して為替介入を行ったことによって、市場の投機的な動きを牽制できるとしていますが、はっきり言ってできるわけありません。市場の投機的動きを抑え込むなら、企業決算以外の為替取引を凍結すれば良いわけです。
何故金融規制行わないかというと、既存の金融システムを使って米国に資金が流れるように最後のあがきを行っているからに違いありません。米国は最後の最後まで、つけを他国に押し付けようと必死になっていて、その補てんをしているのが、日本と中国ということになります。
とにかく、これは財務省副大臣の見解ですから、財務省の意向が為替介入に前向きということが分かります。米国の赤字補てんに日本の資金が流れるという構図は変わっていません。
ニュースを見て、日本企業のために為替介入を行った日本政府と日銀に対して、頑張っているという評価をしている国民が多数を占めれば、それは日本が米国のデフォルトに巻き込まれた時の衝撃が大きくなることを示しています。
国民もこのまま傍観しているだけなら、何が起こっても文句をいえません。
とにかく、自分の身は自分で守るしかないということです。
今日の相場
USD/JPY 78.48
EUR/JPY 112.18
金(国内小売)  4402円/g
白金(国内小売) 4647円/g
為替は円高に推移すると思います。ここからはある意味日本政府が行った為替介入は押し目として捉えられるでしょう。日本国の単独介入にそれほどの破壊力はありません。(日本の財政事情も過去とは違います。)
金は、無難に上昇すると思われますが、プラチナは下落余地がありますので注意しておかなくてはなりません。
株は、個別銘柄で読めない人は関わってはいけません。ダウも暴落していますし、日経平均も今後暴落していくでしょう。
おいらは米ドルの売り場を探しつつ、金のロングを仕込むことにします。為替は先日から記事にしているとおり、為替介入に注意が必要です。対局は円高でも目先でUSD/JPYを安易に売るのは危険です。
↓↓記事が参考になったと思っていただいた方…ぽちっと投票して下さい。
人気
ブログランキングへ
本ブログで紹介している投資手法や予想は、個人的な見解で正確性を保証するものではありません。投資は、各自の判断と責任において行うようお願いいたします。