ハンガリーの財政危機が浮上

ハンガリーの財政危機が浮上

ロイターによると、ハンガリーのオルバン首相の報道官は4日、同国がギリシャのような債務危機を避けられる見込みはわずかとした与党幹部発言について、誇張ではないとの考えを示しました。ハンガリー政府当局者は5日、政府は2010年の財政赤字目標達成を目指すと表明しましたが、ユーロの下落は止まらず、週明けの市場でもEUR/USDは1.2ドルを割り込んだ水準で推移しました。

中東欧諸国の財政事情は、決して健全であるとは言い難いものの、財政の健全化にも取り組んでおり、投資先としてはある程度人気があります。個人的にはハイリスク通貨に位置づけていますが、おいらもCZK(チェココルナ)、HUF(ハンガリーフォリント)、SKK(スロバキアコルナ)などの通貨をトレードした経験もあります。
今回、中東欧諸国の中でハンガリーが槍玉に挙がったわけですが、HUFは他の中東欧通貨の中でも高金利通貨といえます。HUFは高金利通貨として人気があったのですが、その反面、相場急落のリスクは他通貨よりも大きいということになります。高金利の理由は、国債の信用不安(財政赤字問題)というのもあるのでしょうが、資金を呼び込むための思惑(内外の)があったのかもしれません。
どちらにしろ、高金利ハンガリーにかなりの投機資金のが流入したと思われます。本来、ハンガリー財政赤字(対GDP比)は、ギリシャを大幅に下回っており、ギリシャのような混乱に見舞われる可能性は低いとされています。しかし、投機資金が過剰に流入した通貨は、そのバブルが弾けるといとも簡単に下落します。
今回は、ハンガリー首相補佐官の発言が引き金となりHUFが下落し、比較的安全とされた中東欧通貨も連れて下落したといえます。ギリシャと違い、HUFが単独で下落すれば済むはずなのですが、ハンガリーに融資しているドイツやフランスの信用不安にもつながり、結果ユーロの大幅下落ということになりました。本来、ハンガリー財政問題は、ここまで相場を下落させる要因ではなかったのかもしれませんが、世界中の投資家の心理状態を反映した結果といえそうです。(または、相場操作の思惑による?)
今回の動きを見ても分かるとおり、今後はユーロ加盟国でなくても信用不安が起これば、混乱はその国に留まらずユーロや資源国通貨にまで拡大するということです。
ちなみに、投機資金の過剰流入といえば、近年ではアイスランドのデフォルトを想像してしまいます。さすがに、ハンガリーのデフォルトはないと思いますが、今後はトルコなども要注意かもしれません。
今日の相場
USD/JPY 91.74
EUR/JPY 109.41
金(国内小売)  3772円/g
白金(国内小売) 4740円/g
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