金融規制は行なうべきか?

金融規制は行なうべきか?
近年では、相場が以上に乱高下するようになったと思います。本来為替取引などは、貿易の決算により、緩やかに変動すればよいわけです。何故、こんな乱暴な相場になったのでしょうか?
このような相場は、真面目に貿易(輸出入)している企業にとっては迷惑でしかありません。少なくともスケベ根性を出して、為替相場でひと山当てよう!なんて考えてる投資家が参入して相場を混乱させるべきではありません。当然企業が決算する受け皿(流動性の確保)は必要でしょうが、その何十倍ものお金が動いているわけですから、まともに貿易をしている企業はたまったものではありません。
貿易の決済をするための外国為替市場が、実際に貿易の決済で取引されているのは、外国為替の取引量のほんの数%で、残りのほとんどは投資や投機によるものなのです。
相場を乱高下させることの弊害で、実際起こったこととしては、1999年のアジア通貨危機が挙げられます。
これはタイのバーツがある日突然急落し、それを要因としてインドネシア、 マレーシア、韓国などの通貨が急落したことをいいます。この通貨の急落が原因で、経済的な大混乱が起きてしまいました。
タイバーツが急落した理由は、ヘッジファンドによる「売り」の仕掛けでした。巨額の「売り」をタイバーツに浴びせかけ、 それによってタイバーツが下がったのを見て、みんなが投売りをしてしまい、その繰り返しで急落したわけです。
これにより、貿易収支、金利、景気などから判断される下落幅を大幅に超えて下落してしまったのです。要は、ヘッジファンドが「売り」を仕掛けたというだけでタイバーツは急落してしまったのです。そして、底値で買い戻して利ザヤを抜き大儲けするわけです。…迷惑以外の何物でもありません。
米ドル、円、ユーロなど取引額が大きな通貨での仕掛けは思われますが、何かのきっかけさえあけば相場誘導を助長することも可能ともいえるわけです。
このように、為替市場がわけのわからないギャンブル市場に成り果てた原因(諸悪の根源)は、何処にあるのかを考えてみました。
おいらは、その根源は大雑把に次に挙げる3つの要因ではないかと考えています。
1.金融の自由化(金融デリバティブ)
2.ファンド(巨額の投機マネーを動かす資産家を含む)
3.市場にあふれるマネー
金融を自由化し、自己責任という名の下、レバレッジなどの取引手法の拡大により、何でもありの市場が開かれたこと自体は悪くないような気がしますが、実態経済に及ぼす影響を考えると、そもそもレバレッジなんて必要ありませんし、外貨預金程度でも十分流動性は確保できると思われます。
また、ファンドなどの巨額のマネーは一方向に動きます。巨額のマネーが一方向に動き、且つレバレッジがかかれば、先に説明したアジア通貨危機などの要因ともなるわけです。
最後に、市場にあふれるマネーを挙げましたが、この要因で一番当てはまるのは、日本という事になります。本来日本における福祉政策や財政出動などは税収の範囲で行わなければならなかったのですが、政治家は増税をすると当選できません。なので増税せずに赤字国債を刷るのですが、その分国民が払わなくて済んだお金は、国民金融資産としてプールされています。(ちなみに、官僚の無駄遣いは赤字国債の上乗せ分となります。)
今の日本の借金を仮に900兆円、国民金融資産を正味1000兆円としたなら、本来は日本の借金0円、国民金融資産が100兆円であるべきなのです。これが政治家と官僚の利権を優先した末、日本の借金が900兆円、国民金融資産が1000兆円といういびつな状況を生み出したわけです。
さて、本来国民金融資産など100兆円でよかったのに、実際動かせるお金は1000兆もあるわけです。ここにレバレッジを10倍掛けると1京円になるわけです。1000兆円すべてにレバレッジがかかるわけでもありませんが、レバレッジも10倍で済むわけでもありません。世界の金融デリバティブの総額は7京円ともいわれている理由が分かります。
この巨額のデジタルマネーが牙をむいて実体経済に悪影響を及ぼしているわけです。
ドイツが主張した金融規制についての発言は、今回相場を急落させた原因です。しかし、おいらは金融自由化を一辺倒にかかげる米国よりは、まともな判断ではないかと思っています。
ちなみに、おいら個人の投資活動も、相場を乱す一要因以外の何物でもありません。目の前に人参をつるされると弱いものです。自分の行動とは裏腹に、できれば金融規制をかけるべきではないかと思っています。とりあえず、レバレッジと、株・商品先物でのカラ売りの禁止を行なえば、結構まともな市場になると思うのですが…。
今日の相場
USD/JPY 90.00
EUR/JPY 113.05
金(国内小売)  3608円/g
白金(国内小売) 4668円/g
来週の貴金属はいくらなんでもとりあえず、調整が入ると思われます。しかし、その後下値を再度試しに行く可能性があるので、躊躇なくロングというのも時期尚早かもしれません。もう一段の下落覚悟でレバレッジの管理が出来ていれば、ロングを取っても良いかもしれません。1〜2日のうちに決算するならプラチナロングが良いと思いますが、あくまで短期かつストップオーダーを忘れずに…。
今は為替、貴金属、株価の関係があてにならない状況になっています。とりあえず、株価と貴金属は連動しているようです。その中でもプラチナと銀は下落幅が金より格段に大きくなっています。
週明けの夜間プラチナと株価が多少上昇に転じているなら、プラチナロングをナンピンしてみようかと思っています。
為替は円>ユーロ>米ドルとなっていますが、ここは米ドル対ユーロという構図なので、円要因では動いてないようです。米ドルとユーロの弱いもの比べとなっている中、ソブリンリスクなどが拡大する度に円が買われるという事でしょう。
おいらは、再度EUR/USDのショートを取ろうかと思っています。長い目で見ると米ドルは、必ず下落していくと思っていますが、目先ではユーロのショートが妥当かと思われます。
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参考・はじめての外国為替証拠金取引(FX)入門