一筋縄ではいかないギリシャ問題とGS提訴問題

一筋縄ではいかないギリシャ問題とGS提訴問題
ドイツの4月の景況感指数は前月比より8.5ポイント上昇し53.0となりました。EUを支えるドイツ経済の改善を受け、ギリシャ情勢やアイスランドの火山噴火などの問題を押さえて、EUR/JPYの上昇要因となりました。一方、米国ではゴールドマンサックス(GS)の提訴問題が、ひとまず落ち着く形となっています。これらの情勢を見ると現在目先ではリスク選好の動きと言えるでしょう。
しかし、このリスク選好の動きも長くは続きそうにはありません。
まず、ギリシャソブリンリスク問題です。今回のギリシャ短期国債の入札は、前回の4.6倍の応札倍率を受けて、予定より4.5億ユーロ多い19.5億ユーロの国債が順調に消化されました。一見信用を回復したように見えますが、市場はそのように判断していません。この時の国債の利回りは、前回の利回り1.67%を大きく上回る3.65%となっています。これはギリシャの信用不安は未だ大きいことを示していて、裏を返せば金利を上昇させなければ買い手がつかないということを示しています。短期国債の償還は13週後ですが、ギリシャは利回りを上乗せした額を償還しなければなりません。ギリシャ問題が解決するには、ギリシャ政府が早急に大ナタを振るい、財政再建政策を打ち出さなければならず、それには国民の痛みが伴うでしょう。ユーロ圏からの支援を受けるための必須事項ですので、ギリシャ国内での調整が長引けば長引くほど、ソブリンリスクは高まります。もしくは、財政出動して金もうけの道筋を示すことですが、こちらは期待薄かと思われます。ちなみにギリシャの長期(10年)国債は7.8%となっています。
次に、米SEC によるGS 提訴問題ですが、こちらは今後他の金融機関にも飛び火する可能性があります。今年米国では中間選挙がありますが、オバマ大統領は国民の支持を得なければならず、これが最重要課題となります。米国国民は、今回の問題を引き起こした元凶である金融機関に対して不信感をもっています。金融機関の投機行動が不景気を招き、民間では失業者が急増する中、当の本人達には高額の給料が支給されているとなれば、国民も怒って当たり前でしょう。米国金融機関のやっていることは企業の融資ではなく、未だ金融デリバティブによる投機行動なのです。
オバマ大統領が国民を味方につけるには、金融改革法案である程度は金融規制などを視野に入れた法整備をしなければならず、金融機関に関して追い風となるような発言は望めないと思われます。4/22のオバマ大統領の演説あたりから、再度米ドルの下落が始まってもおかしくは無いでしょう。
今日の相場
USD/JPY 93.15
EUR/JPY 125.01
金(国内小売)  3620円/g
白金(国内小売) 5509円/g
昨日EUR/USDのロングを取ってみましたが、軟調な展開となっています。EUR/USDは少し上昇したら手仕舞し、USD/JPYショートと金ロングは、このまま保有し続ける予定です。
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