米通貨当局が米ドル安を容認

米通貨当局が米ドル安を容認
先週USD/JPYは84円台へ暴落しました。後半はドバイの信用不安が原因と思われますが、下落のきっかけは2段階だったと思っています。前半の86円台までの下落は、米通貨当局が米ドル安を容認したことが大きいでしょう。米連邦準備理事会(FRB)が24日に公表したFOMC議事録では、これまでのところ米ドルの下落は「秩序のある動きである」と言及しました。市場関係者の多くは「米通貨当局がドル下落を容認した」と受け止めたわけです。ドバイの信用不安の前にすでに円高の布石が打たれていたわけですが、これがドバイの信用不安で一気に加速したと言えるでしょう。
では、米通貨当局が米ドル安を本気で容認しているのかを検証しなければなりません。普通に考えると、米当局が緩やかなドル安を容認し、輸出主導で景気の回復を目指すということになります。一方、急激に内需を拡大させることはできないでしょう。米国民はとにかく、すさまじい勢いで消費し生活してきました。一国民はそれが輸入品か、国産かはどうでも良かったのです。ただキャッシュカードを無尽蔵に使ってきただけですから…。米国民も、ここを今回の金融危機で見直さなければならないと考え、今は消費より貯蓄に向かっているのです。ですから当然内需が拡大するはずはありません。
そう考えると、米国が米ドル安にして、貿易収支の改善を謀っていることは分かります。
さらに、もうひとつの要因として、対外債務の減価を上げることができます。世界各国で保有されている米国債の額を考えると、まるで人質を取っているようで、当然、世界各国を挙げて米国債暴落を阻止しようと動くわけです。何故かというと、自国での保有米国債の価値が下がっていくのは何処の国も嫌なわけですから…。そういう意味で、とりあえず米国が一番怖いのは米国債保有高の高い順に中国、次に日本となります。ここが米国債の価値に見切りをつけて、売却(損切り)に走ると米国債はデフォルトするからです。
日本においては最初から米国債の売却なんて無いわけですから、何処まで暴落したとしても、今更ガタガタいっても始まらないとなるわけです。日本が米国債を買うのは、最初から米国への寄付金みたいなもので、これを市場で売却するなんて絶対にあり得ないのです。多くの日本国民は、これを国の資産と考えているようですが、それは違うという事を理解するべきです。ちなみに、日本政府の保有する金が国内にはなく、米国が米国内で保管していることを知らない人も多いでしょう。やっていることは、まるで金ETFと同じなのです。国内にあるなら一年に一度でいいからNHKの突撃リポートでもやって、テレビで金の現物を見せてみろ!…と言いたいです。日本国の保有する金なのですから、日本国内に持ち込むべきです。
話はもとに戻りますが、今後は米ドル・米国債の暴落を、世界各国で阻止しようとするわけです。その時に更に米国債を買い増して支えるのではなく、希少貴金属の備蓄にでもお金を使えば良いのです。そうすれば少なくとも、国の財が紙屑になることはありませんし、日本企業の技術力を考えると、どうせ必要になると思われます。円高のうちに買うのが常套手段といえるのではないでしょうか。なので当ブログでも貴金属の現物購入を、個人投資においても勧めています。(ただし、投機の域を出てないので、余裕資金かつ自己責任でお願いします。)
最後にまとめますと、米通貨当局が米ドル安を容認しているのはつじつまが合っています。それは、輸出(外需主導)に対する優位性と、米ドル安にすることによる対外債務の帳消しということです。今後の問題点は、米ドル安を米国が操作できるのかということです。
もし、米ドル安を容認した結果、市場の相場がオーバーシュートすれば、世界恐慌に突入する可能性が極めて高いということになります。
今日の相場
USD/JPY 87.06
EUR/JPY 131.34
金(国内小売)  3545円/g
白金(国内小売) 4447円/g
USD/JPYは米雇用統計までは揉み合うと思います。デイトレの方は86〜87円レンジで良いと思います。要は86円前後で買って87円前後で売るという事です。大きな焦点は雇用統計の数字次第という事になります。予想に自信のある人は発表前にポジションを取れば良いのですが、どちらに推移するか分からない人は、その後の流れについていけば間違いないと思います。何故かというとその後に米雇用統計以上に重要な経済指標がなさそうだからです。各国政府も為替介入となるような発言は怖くてできないと思われます。米雇用統計の発表後、多少の乱高下をした後に、遅れた感があるもののその方向についていくというのが、良いのではないかと思っています。
今日は、久しぶりの休日です。12月前半まで仕事が忙しくて、ブログの更新ができない日が増えそうです(すいません)。このブログを見ていただいてる方も、仕事を持っている方が多いと思います。仕事と投資と趣味を同時進行するのはしんどいですが、時間は有効に使わないといけません。有効な時間の使い方は、子育てであったり、趣味であったり各個人で違いますし、若い時にしかできないことを若い時に経験することも大事だと思っています。若い時には健康の有難さを軽視しがちです。健康なうちにやれることをやるのも大事だと思います。時間(老い)は誰にでも公平?ですから…。
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