止まらない米ドル安の流れ

止まらない米ドル安の流れ
米国の構造的な問題(失業率など)で世界的な米ドル安が進行しています。先日シンガポールでは、金融管理局がシンガポールドル(SGD)の替変動幅の許容範囲を広げていますが、これは米ドル(USD)の実質的な切り上げとなります。
SGDは通貨バスケット制を採用しており、その構成内容はUSD45%、JPY20%、EUR15%、その他20%となっていますので、米ドルの単独安ではSGD/USDに上昇圧力がかかることになります。この圧力に屈して変動幅を拡大したわけです。米ドルとのペッグ制でもなく、世界的な低金利の中でシンガポールドルの切り上げ圧力は大きくは無いのではないかとも取れますが、結果的に米ドルの下落要因が強かったということでしょう。(通常ペッグで困るのは、米国が低金利の時にペッグ先が新興国金利が米国より上昇した場合です。為替は動かないのに金利差が拡大するような時では、ノーリスクでのキャリートレードが成立してしまいます。現状では、シンガポールは通貨バスケット制なので米国との金利差は拡大していないので、為替変動幅を拡大する必要はあまりないといえます。それなのに拡大したということは貿易不均衡の是正とか、米国の国力低下とかの要因が大きくなったといえるわけです。要は、対シンガポールというより、世界的な米ドル全面安の流の強さがそうさせたといえます。)
そして今日は、そのショートカバーが入ったようですが、タイの中央銀行が市場介入を実施したとされているようです。
このように日本をはじめ為替介入が行われていますが、それでも米ドル安の流れはそう簡単に変わるとは思えません。為替介入をすればするほど紙屑を掴まされているといってもいいわけです。
米国雇用統計や米日中貿易不均衡や世界経済の展望を見た時に、ただ金を突っ込む介入を繰り返したところで大局が変わるとは到底思えないわけです。米国の赤字が為替介入国に移転しているだけのように感じてしまいます。
このような米ドル安の流れも、米国中間選挙辺りでは一旦調整するのでしょうか?
今日の相場
USD/JPY 81.29
EUR/JPY 114.00
金(国内小売)  3827円/g
白金(国内小売) 4801円/g
EUR/USD1.4000、USD/JPY80.00〜81.00付近では一旦調整しそうですがどうでしょうか?とにかく貴金属はやはり強いですね。やはり米ドルの下落と金の上昇という大局に変わりはなさそうです。為替の調整局面では米ドルを売っていきたいと思っています。
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