今後のユーロの動向

今後のユーロの動向
ギリシャに始まったソブリンリスクはスペインに波及しつつあります。これがユーロ圏の信用不安に繋がるわけですが、ギリシャを救済するという立場を取った以上、今後ユーロは泥沼に落ちて行くことになると思われます。細かい状況は違えど大雑把に言えば、巨額の財政赤字容認かつ、問題先送りが信条の米国と日本の仲間入りを、見事に果たしてくれたというわけです。
もし、ギリシャ財政赤字額がユーロの加入基準に満たなかったと判明した時点で、全ユーロ加盟国を調査し、その時に問題になったであろうPIIGSをすべて、排除してしまえば良かったのかもしれません。(または、株でいう監理ポストのように、立ち位置を明確にする。)
当然通貨は、大暴落することになりますが、残った財政健全国家(仮にドイツやフランスの財政が健全と仮定して)の共通通貨なら規模が小さくなったとしても、共通通貨としての価値があると思います。今回の信用不安は、規模を大きく見せるために、加入させてはいけない国を加入させてしまった歪かもしれません。
これでユーロのV字回復は無く、じり安の展開を辿ることになったわけですが、今までユーロは上昇の一途を辿って来ました。この為替の不均衡を是正するためのEU圏の仕掛け(当然、日・米も承諾)ということも視野に入れておくべきでしょう。ユーロ圏(特にドイツ)などもユーロ安の方が、輸出業者は儲かるわけですから…。
そういう状況が裏にあるとすれば、間違いなくババを引くのは日本になるような予感がします。日本は少なくとも円高を容認させられる運命にあるでしょう。一方、世界経済を牽引している中国は、国内の事情がまだ安定していないので、先進国も下手に手出しできないのではないでしょうか?
今日の相場
USD/JPY 90.80
EUR/JPY 110.09
金(国内小売)  3780円/g
白金(国内小売) 4933円/g
旅行帰りで、プチ浦島状態になっていますので、今週の重要な指標をまとめてみました。
<06/02 Wed.>
・米4月中古住宅販売保留指数
・米5月自動車販売台数
<06/03 Thu.>
・米5月ADP 全米雇用報告・民間雇用者数
・米週間・新規失業保険申請者件数
・米4月製造業新規受注
・米5月ISM 非製造業景気指数
<06/04 Fri.>
・ユーロ圏第1四半期GDP
・米5月雇用統計(非農業雇用者数(NFP)・失業率・賃金上昇率)
G20 財務相中央銀行総裁会議〜韓国06/05迄
この中で最も重要な指標といえば、やはり4日の米雇用統計ということになるのでしょう。今回の米NFPは、国政調査のための臨時雇用が反映(上乗せ)されるため、市場予想では50.8万人の増加となっています。(この臨時雇用は今月から減少していきます。) また、米失業率の市場予想は9.8%となっています。
要するに、米NFPは政府の臨時雇用によりかさ上げされた数字であり、失業率は依然高水準ということです。米失業率などは、急激に回復するわけはありませんので、軟調な展開を予想しています。とりあえず米雇用統計発表後の動きに、ついて行くしかないでしょう。
マーケットは、米国の失業率の悪さには慣れてきた感がありますので、相場が大きく動くのはやはり、ユーロ圏の突発的なニュースによると思っています。米国の雇用事情などは、極めて悪いと言わざるを得ないのですが、現状ではユーロの動向の方が注視されている感じがします。
とりあえずファンダメンタルでは、中〜長期でユーロを売ることしか考えていません。こういう時は、ファンダで取引をすると出遅れるので、テクニカルでチャートに合わせてついていく方が、良いと思っています。もちろんファンダと方向性を合わせた方が無難なので、おいらは押し目でショートとします。
今日のブログを書き始めた時に、ユーロの下落が加速していたので、とりあえずEUR/JPYのショートを取っておいたのですが、いい感じで下落しています。更に、18時にユーロ圏の失業率が、市場予想より0.1%悪い10.1%と発表されたようです。
現在はEUR/JPYとEUR/USDのショートを保有していますが、とりあえずこのまま様子を見ます。
貴金属は、かなり戻してきていますが、プラチナは急落する可能性があり、ボラティリティーも大きいので注意が必要です。ナンピンで建てた金とプラチナのロングに利が乗ってきましたので、そろそろプラチナを決算しようと思っています。金は、底値が堅いのでポジションを増やす方向で考えています。
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