景気対策の財政出動は不発に終わる?

景気対策財政出動は不発に終わる?
内閣府定額給付金に関する調査結果を発表しました。定額給付金によって増えた消費額は約6300億円(GDPに占める割合0.13%、前政権見込み8000億円)となっています。家電製品の購入や旅行等が37.6%、外食が11.7%、家具や日用品が10.0%となっており、一方、貯蓄や保険料に回った額が35.5%となっています。
このうちテレビなどは、デジタル放送に伴う消費を後押ししたとも考えられますが、この辺は放っておいても売れていくものだともいえます。結局デジタルチューナー付きのテレビを買おうと思っていた人が、ちょうど定額給付金を貰ったから、それで買ったと言っているだけで、どうせデジタル放送に移行するまでには買っていたわけです。その分のお金は多分預貯金に回っていると思われます。
そう考えると、貯蓄全般に回った額が35.5%となっていますが、実際の額はもっと大きくなるのでしょう。(ちなみに、定額給付金が駄目だと言っている訳ではありません。問題もありますが、どちらかというと賛成です。)
このように、臨時の収入があっても貯蓄へまわす世帯が多く、政府が景気対策財政出動を行っても、景気の底上げはは期待できないというのが現状です。
このままでは、政府の財政出動が終了した時点で、リストラや倒産による失業者増大が加速し、デフレ・スパライルが深刻な状況になる可能性があるわけです。早ければ、企業の3月期の決算後、4月より本格的な倒産ラッシュがはじまり、景気は二番底へ向けて落ちていく可能性もあります。(個人的には今年の年末を予想していますが…) 特にJALの下請け等の関連企業の倒産が加速することにより、消費者心理はより保全傾向となり、その消費低迷による影響が他企業にもおよんでくるかもしれません。
JALも政府と吊るんできた経緯があり、今回は政府から三行半を突き付けられる結果となりました。政府にも責任があるのは明白ですが、ここら辺は誰も何も言いません。地方にいらない空港を造り、使用者もいないのに飛行機を飛ばさなくてはならない訳で、誰が考えても赤字になります。じゃあ、なんで地方にいらない空港を造り、さらに飛行機を飛ばすの?といえば、政治家と地方土建屋の蜜月の繋がりがあり、JALの中にもそれで潤っている上層部がいるという事でしょう。これに関わっている方々は、企業の儲けや社会秩序より、自分の懐に入ってくるお金がすべてなので、非常に性質が悪いと言わざるを得ません。ほとんど使われていない空港が、未だその整備税として巨額な税金が投入されていますし、無駄に飛行機を飛ばしているのが現状です。
話がそれてしまいましたので、財政出動の話に戻ります。
では、何故財政出動は不発に終わるのか…。という事を考えなければなりません。おいらは、原因としては3つの理由があるのではないかと思います。
まず、1つ目は国際的な繋がりがあるため(特に米国の存在が大きい。)、先進国や貿易相手国のデフレが収束しない限り、日本1国が何をやっても無駄に終わるのではないかということです。この対策としては、世界規模のデフレが収束するまでは、リスク資産を取らず黙って(我慢して)やり過ごすのがよいかもしれません。日本国民もたまにはロハスな生活を送り、やり過ごしましょうという事です。ここでいうリスク資産とは、各国の通貨や国債のことです。何故かというと、世界的な不況の原因は金融デリバティブの信用不安だからです。この場合何の裏付けのないデジタルマネーやペーパーマネーはリスク資産でしかないのです。要は、政府は米国債ばかり買ってないで、水面下で金などの鉱物資源や原油や石炭やウランを買って、やり過ごすのが良策と考えます。さらに、資源国に対するパイプを作ることに終始すれば良いと考えます。中国は米国債を買い支える一方、金の準備高や鉱物資源保有量を着々と増やしています。日本は相変わらず米国債一辺倒なのです。
2つ目は定額給付金の額が小さいという事です。仮に国民1人当たり100万円くらい配ればさすがに内需も拡大するかもしれません。あえて言えば、1000万円くらい配ってしまえばかなり消費が拡大するかもしれません。そこで、他人のことは解らないので、自分が1000万円貰ったらどうなるか考えてみました。確かにお金を使いたくなります。しかし、海外旅行がしたくても仕事もありますし連休もあまり取れませんので、年に1回程度しか行けません。また、外食といっても1000万円分食べるのも一苦労です。しかしながら、買い物では中国産をすべて国産にしたり、刺身もイカがウニになったりはするのでしょう。また、おいらの実家が九州なので、JRや航空運賃を考えずに、頻繁に帰省することができます。…という事で、我が家がお金を貰えばJRと駅弁屋が儲かるという事になりました。ちなみに100万円も配ると、ハイパーインフレになるかもしれない半面、100万円程度では、生活はあまり変わらないでしょう。有難いとばかりに、それこそ貯蓄に励むでしょう。1000万円配ったとしても、大部分は貯蓄に回ってしまうかもしれません。
3つ目は、国民が財政赤字やその他経済指標を知る環境が整ってしまったということです。国民が仮にいま1000万円貰ったら本当に使ってしまうでしょうか?先程、自分のことを例に挙げましたが、おいらは国の借金が900兆円位あることを知っています。そうすると1000万円程度を貯蓄に回しても尚不安です。おそらく国の借金が理由で、年金がもらえなくなるかもしれませんから…。そう考えると、自己防衛するために預金に励むのでは仕方のないことかもしれません。もし、情報を開示せず、こっそり政府通貨を発行すればこの危機を無難に乗り越えられるかも知れません。変な言い方ですが、誰も国に借金があることを知らなければ、お金は潤沢に回り始めるのです。国民は国の借金の総額をなんとなく知ってしまいましたが桁も大きいし、今後のリスクについても良く解らないわけです。だけど将来の不安程度は肌で感じているので貯蓄に励んでいます。もし、国民が本当に自己防衛に本気で取り組むようになれば、日本はあっという間に円安に向かうでしょう。おいらはこれは、米国金融危機に遅れて起こると考えています。
以上3点を景気対策財政出動は不発に終わる理由として挙げてみました。対策としては、すべてがうまくいかないことを想定して準備をしなければなりません。最悪はスタグフレーションを想定した方が良いという事です。もし、スタグフレーションにならなければ、素直に喜べば良いのです。おいらが言いたいのは、なってしまってからあたふたする前に、準備をしておいた方が良いのではないかという事です。
今日の相場
USD/JPY 90.83
EUR/JPY 130.64
金(国内小売)  3558円/g
白金(国内小売) 5075円/g
現在のポジションは金ミニとプラチナミニのロングとNZD/TRYのショートです。USD/JPYはテクニカル分析しようと思ったのですがサボっています。今週は他の投資は置いといても、為替で3連敗したので勢いがありません。やはりこういう時は、相場から離れるのが一番でしょうか?
ちなみに損切りにの金額は大したことないのでどうでもいいのですが、問題は大雑把に予想通りに相場が動く半面、相場に入るタイミングと利喰いのタイミングをつかむことが未だに難しいことです。損切りは的確にできますが、利喰いを的確にすることは非常に難しいと感じています。中期で予想するなら、利喰いや損切りの幅も大きく取らなくてはなりませんが、つい短期と混同してしまう事があります。ここら辺が理屈で解っていても、難しいところです。
ちなみに損切りが当初の予定通りできなくて結果的に儲けたという人は、相場から痛いしっぺ返しをくらう事になりますので要注意です。
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