中国の固定相場は悪いのか?

中国の固定相場は悪いのか?
11/20にガイトナー米財務長官が「中国のような大国がドルペッグ制を採用することは世界貿易システムにとって良くない。」と発言しました。確かに貿易不均衡という面に関しては、そうかもしれません。しかし、それは過去の貿易関係に比べて現状が不均衡と言っているわけです。中国が、自国の努力により貿易関係が米国に不利になったからといって、為替を操作されるのは不公平だといってもおかしくありません。
もともと中国の国民の生活水準は低かった(現在も中国内の格差は大きい)わけですが、そこに技術が流入してきました。技術が流入した理由は、日本や米国などの先進国が、自国内(先進国間)産業の競争で、生産コストを下げるために人件費の安い中国で生産したためです。当然、中国の人の生活水準は低かったわけですから、低い給料でも働きます。一方先進国の人は、中国人の賃金では生活が成り立たない(物価の差もある)ので働きません。
先進国の主張としては、貿易不均衡が続くのは不公平だと思うでしょうが、本当に中国元を切り上げることが公平かというとどうでしょう。
貿易不均衡ということではなく、国民の人件費という事に着目すると、あながち不公平とは言えないかもしれません。なぜなら中国の製品が安い理由は、人件費が安いからといっても過言ではありません。人件費が安いと生産コストを低く抑えられますので、これが貿易に有利に働きます。では何処まで行けば収まるのかというと、中国国民の給料が先進国と同等になれば、収まるという事になります。そうすれば中国の製品の価格は上がり、先進国の製品と同じ水準になります。中国製品の価格が先進国並みになれば、おのずと自国内の商品が売れるようになるはずです。製品の生産コストが同等なら、輸送費を低く抑えられる自国製品が有利になりますから。
貧しい人達が低賃金で働いている状況に対して、修正(給料や物価が先進国並みに上昇すること)が働いているのを為替操作で抑えることは、中国人はいつまでも低賃金で働けと言っているような気がしてなりません。これでは公平とはいえない気がします。
このような発展途上国や先進国の貿易不均衡を問題視しても、所詮大きな方向性に準じていくのだと思います。ならば日本は、為替不均衡なんかより、更なる技術開発や日本文化(国民性)の良い面を磨くことに力を入れ、世界を牽引できる国になれるよう努力した方が良いと思います。
ちなみに、中国は貿易が有利になったからといって、一般国民の生活水準はなかなか上がらないような国家体制(儲けの大半が国に入るとか…)かもしれませんし、仮に貿易での利益は一部の人に集中しているかもしれません。また、中国の地方の貧しい人は無限にいます。この人たちの生活水準が上がるまで貿易不均衡が続くとしたら、もはや半永久的でしょうか?その前に、地球が先に悲鳴をあげそうです。
最後に言いたいことをまとめますと、中国元は多少切り上げたところで大局は変わらないという事です。なぜなら低賃金で働く人は、無限にいるからです。そしてこれが、今後の対中貿易や中国経済の大きな流れだということです。要は投資においては、大局的に(目先の変動は分かりません)中国元を買う利があるかもしれません。貿易不均衡が今後も長期間続き、事あるごとに通貨切り上げの話が出てくるはずです。
今日の相場
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