コモディティー規制と貴金属投資

コモディティー規制と貴金属投資
米国の政府・規制監視当局の動きが徐々に活発化しているようです。米商品先物取引委員会(CFTC)は毎週発表している「Commitment of Traders Report」について、従来よりも詳細なコモディティ先物のポジションの発表を開始するとしました。これまではポジション保有主体を商業筋と非商業筋の2種類にしか分類していませんでしたが、今後は生産者や卸売業者などの実需筋、スワップディーラー、運用資金、その他市場参加者の4種類に細分化されるようです。このようなデーターはもともとCFTCも握っていたわけですし、あえて市場に詳しく発表するという事は、金融危機により、マネーがコモディティーに向かうということに対して釘をさすという事で、米政府が危機感を感じているということなのでしょう。天井知らずの暴騰は無いという、米規制監視当局の強い意志を感じます。
統計はコモディティー全般の22種が対象となりますが、これにより過去の原油相場の高騰や穀物相場の暴騰時に、それぞれの市場参加者がどのようなポジションを保有していたかが明らかになります。米規制監視当局は、これらのデーターを市場に提供することによって、規制に対する大義名分を立てたいのでしょう。おいらは、本来コモディティーの価格は需給筋によって決定されることが望ましいと考えています。価格高騰の原因が投機マネーという事が分かれば商品市場に介入(規制)し、物価高騰を回避することにが必要となりますので、政府にとっても介入しやすくなります。
トレーダーが先物市場での投機ポジションの規模を知る上で、データーは重要な指標となりそうですが、投機マネーの比率がどうせ圧倒的に多いのは分かり切っていますので、適度な所(規制がかかる前)でサッサと逃げるのがベストといえるでしょう。米規制監視当局が最も、価格を押さえたいものは原油を含むエネルギー市場と思われます。この点については、コメントをいただいています ほなみんさんからの指摘もありました。市場介入を良しとしない米当局が、どこまで商品市場に踏み込んでくるかが焦点となります。
もともとコモディティ全般は、投資そのものに向かない特質(運んだり保存するコストがかかる)があり、かつ規制がかかるとすれば、資金の流入も限定されるかもしれません。そこで注目度が高まっているのが貴金属市場なのです。保管コストは安く、キャリーコストも穀物などに比べるとはるかに低いのです。また、貴金属はコモディティの中では品質を維持しながら、長期間保有することができますし、規制を掛ける理由もありません。もし、規制がかかるとしても一番最後になるはずです。したがって貴金属への投資はコモディティ投資の中であらゆる側面から、安全かつコストの低い投資と考えられます。つまり、今後はエネルギー市場の市場参加者への対応や規制・監視がさらに強まる中、さまざまなリスクを考慮した結果、貴金属市場への投資がこれまで以上に活発になる可能性があると言えるでしょう。
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